ポテンヒット狙い

まあ、大概組織で仕事をするとなると、
ある程度誰にでも出来る仕事をすることになる。
すると、結局仕事にて目指すところは、
いかに効率的に、迅速に、正確にやるかということに尽きる。


誰にでも出来るというのは、やるかやらないかという問題において。
やろうと思えば、できるわけだ、誰だって。
しかし、生活していける=どっからか金が出る、という条件もあって、
そう考えると、なぜこれを自分がやってるかというのは、
意志の問題というよりか、ほぼ市場の競争原理、比較優位で決まるもの。
そして、比較優位の観点は、迅速かつ正確ということ。
変な思い入れ、独自性とか蘊蓄とかは、メインには求められていない。


経験上、業務にてアイデアや提言自体はいくら出しても、
それを他人に理解されてしまうと、それを他が模倣することはたやすい。
むしろ、結論だけを取られてしまったということも大いにある。
しかし、理解されないようにすると、誰からも価値を認められない。
左様に、競争優位をこの概念部分で出すのはかなり無理がある。
つまり、そんなことは大事なことではないのだ。


であれば、行動の仕方が問われているのであって、
いかにスムースに遂行させていくかという問題であって、
目的とリソースというところから切り込んでいくしかなく。
進め方の巧拙みたいな話ですが、そのへんの無形資産。
よって、まあ、それなりに、段取りばっかり考えて、
「じゃあ、後はやっといてよ」、みたいな人ばっかり会社には増えていく。
しかしそれはまあ、仕方ないことではないかと思う。


それとか、俺にとって、それは目指すところではないとおもってきた。
そういう、念には念を入れる、だとか、みんなの意見を聞いて回るとかは、
結構仕事だけでない自分自身の、価値観や習慣を変える部分があり、
自分の生育環境や考え方を否定されル気もして。
企業のために、そこまでするのは抵抗があったのだ。


しかしさ、独自性なんてもともとがあるのだろうかという部分。
スポーツでもそうだが、基本的にみんなやることは同じ。
取り組み方で、パフォーマンスが違う。評価も年収も変わる。
他人のための仕事だから、自分のモノではないが、
それを進めることを委託されているわけだから。
何をやるかレベルでは差がつかないのなら、如何にやるか。
如何にやるかのレベルとは、念には念を入れるとか、なんだとか。

「金持ち父さん」シリーズによりお金に対する考え方が変わるのは確かである。新しい現実を知らせてくれるし、モチベーションアップにもなる。
しかし、結局大事なのは毎日勉強する努力、お金を貯める自己管理能力、そして嫌なことに出会ったときにその逆境を跳ね返せる精神力であろう。
そういった人間として成熟している人でないと、結局本を読み夢だけ語って終わる。
まずはこの本を読む前に部屋をしっかり掃除し、家計簿をつけ、毎日早起きし、勉強するといった良い習慣をつけないとまったく意味がないだろう。


大事なことは、頭を使って唸ることよりも、
段取りを組み、ミスが無いように確認するのがメイン。
自分の強みは「ヌケモレのチェックが誰よりもできます」。
つまり最初っからポテンヒット狙い。
それって、すごくかっこ悪い人間のような気がするため、
モテの観点から、なぜ、サラリーマンが致命的なハンデとなりうるのかが良く分かる。
その点、やはり心理的な壁はあるのだが、
リーマンとしての競争優位にはそれしかないというのも分かっているのだから、
そうするんだろうな。


オトコである前にサラリーマンなのか、サラリーマンである前にオトコなのか。
それらはどう両立するのか。あるいは、去勢されるのか。
上部構造と下部構造、悲劇と喜劇、管理職と業務職がない交ぜとなっている。


(P)