Too Shy Shy Boyの憂鬱

今日のレッスンでの先生の印象的な一言。
「今日は簡単でちょっと変わったステップを教えた。
でも、一生懸命やることで、簡単なものでもカッコよく見せられる。
一番かっこ悪いのは、中途半端にやること。
簡単なものだからこそ、きちんとやってカッコよく見せよう。」


先週の議論もその辺についてだったとおもうけど。
何故だろう、いつの頃からか本気で染み付いた、

  • まじめにやるのはつまらないし、カッコ悪い
  • がんばらないで労力かけずに成功することがカッコいいという価値観。


そして、現状、その価値観がいつの間にか無謀な論理展開を遂げている。

  • 一生懸命やるのは、かっこ悪い
  • いい加減にやって成功することに意味がある、よって、とりあえず、何事もいい加減にやりはじめる

恐ろしいことに、この2つがいまの俺を支える価値観になっているんじゃないか()。


30にもなって、「クールな態度はプロテクション*1」とか言って、そういう態度で生きてきた結果がこれだ。
ちょっと考えれば、本当はわかっているんだ。
「単に行儀よくまじめ」と「一生懸命」はちがう。
「行動する動機」と「行動の効率性」も違うもので、効率性は動機にはならない。
そして、結局そういう中途半端な考えからくる、
中途半端な行動が一番かっこ悪い。


キャステラが先週書いてくれたけど、

簡単なステップを本気で踏めないやつが、

難しいステップを本気で踏めるわけがない。


結局、「やるんだったら一生懸命やれ」という当たり前のこと。
その気持ちが外に出る。ダンスにも乗り移る。
今日、隣のソウル・シスターの気合は凄かった。
環七沿いのダンス教室のソウル・シスターですら、
その気合だとしたら、日本の誇る安室奈美恵の気合は如何程?
そんだけ気合入った女子とDeal成立するはずがない。
それはちょっと考えればわかる筈なのに、ここまで結果出せてないんだから気づけよ。


よく言われることだが、果実を収穫するには種を蒔かなくてはいけない。
種の重要性に気づけないまま、果実のことばかり考えるのはピーターパン。
これってダンスだけの問題ではない。すべてがそうなっている。
樹木で言えば枝葉の問題ではない。根っこのところの問題だ。
ここで言えば種は価値観だ。自分の価値観が現実を作る。
まず、誤った信念を糾してあげないと、
成功しないべくして成功してない構造に嵌っている。


一生懸命やることを避けるときに出てくる、
「それって無駄じゃない?」という冷笑的な目線は、
効率性の観点からなされている。


そんなに必要以上に一生懸命やっても無駄だ、とか、
結局無駄になるかもしれないのによくやるね、とか、
いつまでもそればっかりやってんじゃないよ、とか。
これは、結果に向けた労力を問題にする思想だ。
突き詰めれば、「お前は頭悪い」という指摘だ。


しかし、何が近道なのか。
苦しいだけの反復練習はパスして実戦練習だけをやることや、
他人の手柄にタダ乗りして果実を得ることや、
前例重視で気合を入れずに型どおり事務処理すれば、確かに一見効率はいいだろう。
けれども、早く上がりたい一心で、
そこに何も思い入れがない以上、自分の中には何も残らない。
結果としてただ、効率よくやりましたと(他人に)言うだけ。
うれしい気持ちも、悔しい気持ちもなにもない。
振り返っても、ただ帳尻あわせの事務処理があるだけ。
不真面目なのがカッコよい、頭いいという価値観ですから。
生きてきた証を教えてよ。


面接とかで「今までの人生で一番○○」系の質問されても、
「別にナンもないッス」と即答する。
思い入れがないので思い出せない。
そりゃいろいろ苦労したこともあったんだろうけど、
喜怒哀楽を伴ってなければ、大切な思い出の宝物にはならない。


かっこつけて近道を行こうとするあまり、
自分自身のストーリーを何も持ってない薄っぺらな存在。
生産性は高くても、全くもって生産的ではない。


おれは学業も仕事もとりあえず、なんの思い入れも無く、
早く上がりたいという一心*2だった。
それで何とかやってこれて、誰からも何も言われないから、
それでいいと思って、超気合入ってなくて、薄っぺらな男になった。
すげえかっこ悪い。わざわざかっこ悪い存在になっている。
それこそが一番の時間の無駄ではないのか?


非常に残念です。だし、周りのみんなからも、残念だと思われている。
やればできる子なのに、と思われ続けて。
勿体無い。どちらかと言えば、悲しませないでほしいよ。


だから先週も、「無駄じゃないの」「頭悪いんじゃないの」とか、その場の効率性やめないか。
それより、一生懸命やること。気持ちを入れることを大事にしないか。
という結論*3になったのだった。


合言葉は、「しゃかりきコロンブス」又は「Too Shy Shy BOY返上」になったのだった。
人生も折り返し点を過ぎ、これからは思い出作り。引き出しの多さが分かれ目だから、
キャスも言っているように、後ろ指を差されることむしろ受け入れたいと思います。


今日から、大事なことは、うまく効率的にやること・早く上がることじゃない。
輝くこと・生きた証をのこすことだ。

あとのものは何でもいいけど、かっこ悪いのはいやだ。
絶対いやなんだ(泣)。


気合で出来るぞと、携帯の待受けで松岡修造が笑っている。


(今日の一曲:ミズキありさToo Shy Shy Boy)

(ついでにTKつながりの名曲、内田有紀Only You)


(P)

*1:しかし、「熱い気持ち心に、クールな態度はプロテクションに」というのが正式な原典。熱い気持ちが無い上で、プロテクションだけしているのは結局論外。リードしてないのにとりあえず守備固めしている感じだ。

*2:仕事から早く上がるというのは、日々早く帰りたいという意味と、アーリーリタイヤしたいという意味と両方ある。しかし、そもそも、この両者自体が矛盾する概念ではないか?アーリーリタイヤしたい奴は、外資系IBとかベンチャーとかで徹夜するのが普通だからだ。

*3:ロンバケの佐々木教授(森本レオ)の言葉を借りれば、「そろそろ、壁、取っ払っちゃって下さい。」となる。