そしてめぐり逢い

A子さんは、大学入学を機に関西から上京。
大学で出会った男友達は、関西の男より洗練されててやさしかったといいます。
高校時代、初めて付き合った関西人の彼(やんキー)には、
ジュースを買いに生かされたり、万引きの共犯にされたりの思い出。
いつしかA子さんは、付き合う男を選ぶときに関西人はダメと思うようになり、
関西弁の男を意識的に避けるようになりました。


その後就職、合コンで知り合ったイケメンB君と婚約することになりました。
B君の家は代々、池上本門寺の畔に居を構え、
一家の家訓は「他人に奢るな、貯蓄しろ」でした。
B君の母君は、家を守る意識強く、嫁にも家訓を理解することを求めていました。
母君は、なぜかしらねど、A子さんが関西出身であることを咎めました。
我が家を守っていく上で、関西の人に家訓が理解されるとは思わないということでした。
(名古屋以西の挙式が派手で、嫁を迎えるに支度金が必要であることが一因と考えられる)
B君は母君に従い、A子さんと別れることにしました。


その後3年、B君は無性に結婚したい気持ちに襲われました。
いい年して結婚できない自分はダメ人間なのではないかと、悲しくなっていました。
先輩に相談したところ、結婚相談所に入ることを薦められました。
B君は、家族に結婚相談所に入って見ようかと思っていることを話しました。
B君の父君と母君はそれを聞き、結婚相談所みたいなところはボッタクリが多い。
ちゃんと調べて入らないと大変なことになる、と逆上し、
残業続きで時間のないB君に代わって、
自分たちがボッタクリでないところを調べてあげるといいました。


それから1週間、30近い相談所から資料請求し、ご両親が選びに選んだ、
「アート結婚センター0120」にB君は入会することを家族会議で決定し、
入会金100万円を支払ってから早4ヶ月、結婚センターからは何の音沙汰もない状態です。
B君が先週電話したところ、「こういうものはタイミングだから、焦るなよ」と、
電話口で関西弁のオペレーターが諭した、とのことです。


(P)