寝技に強くなれ

今、メインで参画しているプロジェクトのプロジェクトマネージャが非常に寝技が強い人で、これまで、何人かのプロジェクトマネージャの手法をその近くで見てきたけれども、この寝技に強いという特性は、自分にとって、すごい目新しくて、よくよく観察しているうちに、マネしなければと思えてきた。(ここで言う寝技とは、キーマンを介した押し込み、調整、交渉など、優位な合意形成に落とす為の努力)この漠然とした動機が、先週末に読んだ一冊にうまく整理されている気がしたので紹介しよう。


ハーバード・ビジネススキル講座 対話力

今日の「水平化された」組織では、マネージャーは指揮統制以外の手段を用いて、自分の考えに対する指示を取りつけなければならない。これは自分が正式な権限を持たない人々に影響力を及ぼすということだ(中略)対面コミュニケーションは、我々が動物であるという単純な理由ゆえに、ビジネス上のやりとりのいて、依然として中心的な役割を果たし続けている。我々は理性と同程度に感情にも依存して決定を下しているのだ。

それが必要なのはわかりましたと、では、それをどう実行するか、というところに話を移すと、この本に書いていることは正攻法としては、正解なんだと思うのだけど、実社会で効果を発揮しているのは、未だに、古典的な手法、例えば、声の大きさとか、体の大きさ、それらを活かしたプレッシャーマネジメントなんだと思う。


この辺りは、博多に居た頃に斎藤澪奈子の著作をブックオフで発掘したパインとディスカスして、昨年、一昨年位には共通認識になっていたけれども(まだ抑えてないという向きは下のアドレスで復習して下さい)、今のプロジェクトマネージャを見ているうちに、確信になった。


http://d.hatena.ne.jp/sixdayboys/20050605


ところが、これまでは、具体的に、俺達みたいな体育会系のカルチャを経験してない(古典的な手法に関する経験値がすごく少ない)人間が、このスタイルをどうやって実行に移すのか、みたいなところまは議論しきれてなかった気が。ゴルフのフォームはわかったけど、肝心のゴルフのゲームのルールが分からないみたいな。件のプロジェクトマネージャを見ている内に、自分の中でルールのイメージが形成されつつあり、そんな中で、まさに我が意を得たりと思えたのが、下のエントリである。


http://d.hatena.ne.jp/sivad/comment?date=20060728


分割して統治せよ / 胴元たれ まさにこれで原始的な組織であれば、自分に良いようにマネージできる。少なくとも、俺の目の前で起こっていることは、こういうルールを想定した方が理解し易いし、こういうゲームを想定すると実行し易いと腑に落ちた。


(K)