よく噛めば

パンがなければケーキを食えと言われずとも
普通のご飯だってよく噛んだら甘くなる
これは我々と米というモノとの新しい関係である


毎日作戦を考えている「どうしたらやりたいようにやれるか」
そのためには金が足りない、度胸もたりない
ではどうしたらいいか、等


まあ、考えるのはいいんだけど、
毎日考えて、仕事して、テレビ見て、電話して寝るとなると
考えていることの成果はどこにもない
どこにも
それは休むに似たり、といえよう


実際やるべきことはそんなに多くない
やれることもそんなに多くない
結局、やるべきことはいつものこと
考えても新しい人生はめったに開けない


そしてまた、今日も作戦を立てたくなる
だって、今日なんかつまんなかったから、
明日もそうなるのはイヤだから


それは、終わりなき日常をどう過ごすか
萎え=モチベーションの縮小スパイラルにどう打ち勝つか
という難しい問題で


詰まんない、何やってんのかわかんない、
つまり生きるうえでの目標を自力で設定する力がない。
だから、なんか詰まんなくなってしまう。
で、毎日なんか新しいことを始めてみようかなんて思ったりして、
いつまでも逃げてばかりいることになる


で、何しようか考えても、何も変わらないことが変わらない
それの繰り返し
なんだかね、一日が終るとね、振り出しに戻ってる気がして
毎月のクレジットや洋服やいつまでもきりがなく続いてく悩みね


結局できることは限られており、
さし当たってナイジェリアに行くだけの身体能力もないのだから、
今ここにある見なれた米をよく噛むしかない
よく噛めば、味が変わってくるだろう、甘くなるだろう
もうそれしかない
そういうケミストリーしか
でもそれで日常が昨日より少しでも甘くなればいい
ロジャーマッギンのバーズ風に言えば、Sweeter than Yesterdayだ。

Younger Than Yesterday

Younger Than Yesterday


翼はないのだから、唾で戦うしかない
唾によるブドウ糖の作製の反復こそ
残された闘争のスタイルになる
そしてそれはより甘い甘みを目指すのである


(P)