未知の困難より既知の困難
あこがれて入った芸能界は入ってからが大変。
同様に、所属による満足は一時的で、
その後は所属するものの間での競争となる。
会社なら、その会社のビジネスに必要な特殊技能の習得度合い。
野球選手がバットコントロールの技能に血道を上げるがごとく。
もちろん客観的に見れば、その技能は「そこでしか役に立たない」。
応用が利かないような気がして、閉じ込められた気になる。
だからといって、説きたくなる汎用的な「人の道」。
どこまで行っても世界はついて来る。
世界を理解しないままにそこから逃げ出そうとしても、
それは決して成功しない。
家族とうまくやっていけず、出家したいという人がよくいる。
彼らは家族との生活から逃げ出そうとしている。
しかしそういう彼らも、出家した後、
全く新しい家族と顔を突き合わせることになる。
自分のよく知っている家族に対してさえ自分をうまく適合させられないときに、
どうして知らない人々への適合が期待できるだろう。
「未知の困難より既知の困難」である。
我々はどこにいても物事を適切に扱っていけるようにならねばならない。
いつも転々と環境を変えてばかりいるわけにはいかないのだから。
泳ぎを覚えるまでは水のある場所が恐ろしく思える。
しかしいたん泳ぎ方を覚えてしまうと、あなたは水が大好きになる。
世界とはそのようなものである。
- 作者: スワミ・サッチダーナンダ,伊藤久子
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所属や能力によって分断された結果、
たしかに一人ぼっち(オンリーワン?)になったとはいえ、
取替えのきかない存在(オンリーワン)なったわけではない。
これぞ資本主義。
時々さびしい。
でもそれは構造的な問題で、
友達と毎日パーティーをしたからといって解決されるものじゃない。
だから今日も働こう。
(P)