俺進化論〜俺の大変化はこれから始まる

人間は他人のことが気になって仕方がない。
多くのものは、人が良いと言うから良い、
というレベルの判断から抜け出ていない。
バズマーケティングが最強のマーケティングだという主張も、
人は他人が気にしているものを気にするということで、
これも一種のレバレッジを効かせるということだろう。
合コンで、なんだかんだ言ってもやっぱり一番人気になった方が絶対に有利である、
というだけのことだが。

バズ・マーケティング

バズ・マーケティング


良くも悪くも、人の噂になっているうちが華というか。
そこで、なんか面白いことを言わないといけないと思うようになるが、
そのためには目の前にいる人間の後ろに数百万の人間を思い浮かべないといけない。
それが、ブログ:トラックバック世代ってことなんだろうか。


誰かどうしようもなく重視しかねる人間がいたとして、
これに対して気を抜くと、そこからの伝播・レバレッジによって、
もともとはそいつに対するエネルギーセーブ、出し惜しみだったものが、
もっと多くの見知らぬ他人からの興味喪失を招くという大損害へと。
そうなってくると、もう、
自分の好き嫌いという一時的なものと先々の損得との天秤。
軽視することのしっぺ返し、仕返しが仕返しを呼ぶ、因果応報の構造。
キリスト教なら種蒔きと収穫の原則というだろうし、
アリストテレスなら原因と結果の法則という。
それゆえ、あまり、誰かに対して、
都度都度感情を持つことは良くないのではという時代なんだろうか。


顧客セグメンテーションをして、
セグメントごとにサービスレベルを変え、
費用対効果が最大化するサービスポートフォリオを作るんだ、
みたいなことを昔提案したことがあるが、
そういうことしていても、結局罰が当たるような気もする。
ブスをないがしろにしない奴が、案外おいしい目を見たりする。
そんな時代らしい。
禿だろうと、糊の臭いがしようと、抱いてやれよ、そう訴えかける。


さらに言えば、各界の達人が、
当たり前のことを当たり前にやることが重要と言っている事実。
これは、読みようによっては、都度都度の感情に流されることを禁じる。
万物に対する冷静な執行。行き着くところはそれなのか。
で、仕事でも、熱くやろうよ、とか、燃えてどうこうとか、いうのが流行だが、
感情むき出しのヒステリックな人間の正当化に過ぎないと思うこともある。
都度都度の感情と根本的な目標に向かう意欲は別だ。
淡々とやること、周りの人間に気を使ったり、重視軽視したりしないこと、
つまり、ぶれないこと=山の如しの精神。
仕事も冷静にやれ。モデルケースとしては先日も触れたが、おぎやはぎ


そもそも、他人に対する評価は、
自分をどこか第三者的な高見の見物的な安全圏においており、
結局自分もあいつは馬鹿だとか包茎っぽいとか言われている。確実に。
それを忘れようとしている、いわば、殴られてからのカウンター、逆切れに近い。
自分はあいつとは違うとか、あいつは自分とは違うとか、
そういう他との分離意識、孤立心をはぐくむことで、守れるものは実は何もない。
思い込みが激しい分、感情的な人間になったり、
視野が狭くなったりするので、結果的に人が離れていく。
ナポレオンヒル以降当然のことだが、
分離の意識を持つから、結果的に人が離れていく。
分離の意識を禁じるには、自分の感情を勘定に入れずに、フラット化の方向で。


なので、今まで私が無意識の分離意識からDISSった皆様申し訳なかったです。
この根本的な精神の病みともいえる、孤立感をどうにかするために、
金輪際、一切の評価、感情を持たない方向で。
ただし、一切の評価、感情を持たないというのは、
ディタッチメントを意味しない。
ディタッチメントの総本山である村上春樹が、
その終焉を宣言した後で、それはできない。
逆に、私はあなた、あなたは私でないのか?という問いを
常に持てるのか?と、想像力が問われており、
平たく言えば、
I am he as you are he as you are me and we are all together
ということですよ。


Web2.0とかクチコミの時代ということで、そういう結論になるが、
一方で、そんなことはお構い無しに、
上司の犬として今日も切羽詰っている方々もおり、
そういう人は、Tribeはおろか、Marvin Gayeすら知らないのだけど、
そういった何一つ共有できない者についても、
自分と分離してしまわぬよう、留意しなくては。
そういう者よりも、自分の方が●●だ、
みたいなことがすぐに頭に出てきてしまうが、
これを禁じること。
分離も、評価もせずに、相手の気持ちになり赦しを持つことで、
結果として自分自身を他人軸での評価から解放し、
赦すという「自由への」高等戦術が求められているのだ。


(参考文献)

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

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